ベテラン担任の「ハズレ」で起きた学級崩壊と、親が取った戦略的突破口


1.予兆

子どもが小学校中学年の時の担任の先生は、年齢的にはベテランの教師でした。

最初は優しくて面白いと子どもからは人気の先生でした。人気の理由の一つには、宿題が少ないこともありました。
終わりの会で今日の宿題を先生が発表した際、児童たちが「えー、多い~!」と言うと、先生が宿題を一つ減らしてしまうこともあったそうです。
さらに、音読カードはチェックせず、印は子ども自身が押している状態でした。

子供に甘いその対応の影響は学力低下という形で、後々子どもに影を落としました。
子どもは、担任が見ていないとモチベーションが下がり、次第に手を抜くようになりがちです。

わが子の場合、漢字の定着が明らかに低いことに、漢検受験の準備を通して気づきました。次の学年に進んでから、親がフォローして補いましたが、気づかないまま過ごしたご家庭もあったのではないかと思います。


2.目撃した異常:歪んだ正義と「吊し上げ」

参観日に、忘れられない場面を目にしました。

昼休み後の五時間目が参観日だったため、昼休みの様子を見ようと少し早めに学校へ行きました。すると、6〜7人の男子が1人の女の子を囲み、泣くまで責め立てていたのです。

理由は「ドッジボールでB君の頭に当てた。ルール違反だから」。

女の子は故意ではなかったようで、B君には謝っていました。しかし、中心になって責め立てていたのはA君でした。
確かに、故意でなくてもルール違反は良くありません。ただ、泣いて謝る子を、集団で執拗に追い詰める光景には強い違和感を覚えました。


3.担任の対応に感じた限界

2学期になると、わが子はA君と前後の席になりました。それをきっかけに、A君から1日に何度も蹴られるようになったと言います。

前の席に座るわが子が、後ろの席のA君にプリントを回した際に、
「お前、俺のノート見ただろ」
などと、言いがかりをつけられることもあったそうです。

話を聞いた翌日、放課後を待って担任に電話をしました。その時、担任が口にした言葉は今でも忘れられません。

「A君はやんちゃですが、かわいいところもあるんですよ」
「(わが子)さんだけじゃありません。他にももっとやられているお子さんはいますよ」

問題行動を把握しながらも改善が見られない状況に、保護者として強い不安を感じました。


4.判断を後押しした出来事

さらに、この担任は信じがたい内容のアンケートを児童に実施していました。
その中に以下のような質問もあったそうです。

  • 「このクラスで嫌いな人は誰ですか」
  • 運動会準備の振り返りとして
    「役に立たなかった人は誰でしたか」

結果は全体に公開されるものではなく、それぞれの保護者にのみ伝えられる形でした。
「好きな人は誰ですか」「頑張っていた人は誰ですか」といった肯定的な質問もあったようですが、それでも、小学生に対して「嫌い」「役に立っていない」という言葉をあえて意識させる必要が本当にあったのでしょうか。

私は強い疑問を感じましたが、違和感を覚えた保護者から学校に苦情が入ったようです。
後から「その件は話題になっていた」と聞きました。

あるママ友も
「うちの子も“嫌い”って書かれていたみたい」
と言っており、少なからずショックを受けていたようでした。

これらが積み重なり、担任の先生には指導力に疑問を持つようになりました。


5.親として取った対応:感情ではなく、外堀を埋める

担任への信頼は失っていましたが、感情的に学校へ訴えることはしませんでした。担任一人に訴えても、状況が改善するとは思えなかったからです。

担任・学年主任・教頭、そして保護者である私の四者面談を正式に設定してもらいました。子どもが連日暴力を受けていたため、緊急の放課後面談でした。

怒りをぶつける代わりに、事実を淡々と時系列で伝え、学校として対応してほしいと要望しました。
A君の暴力以外にも、授業中に漫画を読む子、立ち歩く子がいるなど、学級が機能していない状況であることも伝えました。

言い方は、あえて
「うちの子がかわいそうです」
とは言いませんでした。

代わりに、次のように伝えました。

このまま学級が機能しない状態で学年が終わってしまうと、
このクラスの子どもたち全員がかわいそうだと思います。
学級を立て直し、「このクラスでよかった」と思える状態で
この学年を終わらせてあげたいです。

個人の問題ではなく、学級全体の問題として話しました。

その結果、教頭による継続的な見守りが入ることになりました。廊下からの確認だけでなく、教室内にも入って様子を見てもらえるようになりました。


6.救い:男気のある味方と、子どもの勇気

環境が少しずつ変わり始めた頃、もう一つの転機が訪れました。

習い事のサッカーと同じクラスのC君が、わが子の味方になってくれたのです。
最初はA君寄りの活発なタイプの子でしたが、サッカーの後の残って練習を一緒に重ねるうち、わが子をよく見てくれるようになったようです。

A君がうちの子に対して〇〇菌のような悪口を言ったとき、
「〇〇は菌じゃないし」
とかばってくれたそうです。

わが子に味方してくれる子が増えていくきっかけになり、暴力を振るわれることも徐々に減ったようです。

C君は男女問わず、保護者からも信頼される男気のある子でした。周りに流されず守ってくれたことに、今でも感謝しています。


7.結末:そして、静かな日常へ

教頭の見守りなどが徐々に功を奏したのか、クラスは少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
二学期に四者面談を希望したころは、子供が「一日1人は大抵クラスの誰かが泣いている」と言っていたのが、泣かされる子もいなくなったようでした。

3学期の参観日。
事情を知らないママ友と参観していると、こう言われました。

「このクラス、前より落ち着いたよね」

教頭の介入と、子ども同士の関係性。
大変だった日々を思い出しながら、心の中で静かにうなずきました。


8.次年度に向けて伝えたこと

今回の状況を踏まえ、同じ担任が持ち上がることは避けたいと考えました。

来年度について、次の二点を明確に伝えました。

  • 指導力のある担任を配置してほしいこと
  • 問題行動のあった児童とはクラスを分けてほしいこと

落ち着いた環境を作るための条件として伝えました。


9.その後

次の学年のクラス替えで、問題のあった子とは別のクラスになりました。
A君は相変わらずで、廊下や階段ですれ違う時に蹴ってくる頃はあったようです。

担任は学年としては持ち上がりでしたが、わが子の担任にはなりませんでした。
学年主任の先生が担任となり、信頼できる環境の中で、大きなトラブルもなく過ごすことができました。
結果として、子どもは「楽しかった」と言って、小学校生活を終えることができました。


10.子どもに伝え続けたこと

この間、子どもには一つだけ、繰り返し伝えていました。

いじめられたと感じたときは、
親は絶対に味方であること。
何があっても守るつもりでいる、ということ。


おわりに

「ベテランの先生だから安心」
必ずしも、そうとは限らないことを学びました。

親にできることは多くありませんが、感情ではなく、事実を整理して動くこと。
そして、子どもにとっての安全基地であり続けること。

担任ガチャに外れたと感じたとき、担任がだめでも変えることはできません。
担任がだめなら、担任と学年主任、教頭、校長と上長を交えて改善を要望するしかありません。
うちの場合は教頭の段階で改善が見られたのですが、だめなら、校長、教育委員会とさらに上へと掛け合う覚悟は持っていました。
これはうちの体験談ですが、この経験が誰かの助けになればと思います。

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