薬剤師の私が薬学部を勧めず、わが子を医学部へ推した3つの理由


合格率五分五分!親が突きつけられた進路の「リアル」

わが子の第一志望は、一貫して第一志望の国立大学医学部でした。

薬剤師である私自身、医療現場の現実を知るからこそ、子どもには薬学部ではなく医学部への進学を強く願っていました。

しかし、模試の判定はBからDまで乱高下し、成績は安定しない状況でした。覚悟はしていましたが、12月の最後の三者面談で、進路指導の先生方から予想通りの厳しい言葉を突きつけられます。

「合格は五分五分です。昨年の実績で言えば、あなたと同じ水準から合格した子はいません」

この厳しい評価を受け、私たち親子は大きな決断を迫られました。前期はこのまま医学部を目指すとしても、浪人はしたくないという子の意向を叶えるためには、後期試験をどうするか。難易度が上がる後期も医学部を貫くか、あるいは進路変更し薬学部や歯学部を選ぶのか――。

なぜ、私は自分の専門職である薬学部の道をわが子に勧めなかったのか。この記事では、医療系国家資格を持つ親として直面した受験のリアルな葛藤と、医学部進学を推した3つの理由を包み隠さずお話しします。


理由1:戦略的判断!二次逆転の可能性と子の決意への信頼

「成績が安定しない中で医学部を諦めなかった理由」、それは先生方の戦略的な分析と、子の強い決意への信頼でした。

私たちは、模試の結果がD判定になることもあったという事実から目を背けませんでした。しかし、学校の指導方針から、わが子は共通テストよりも二次試験の方が得意なタイプであり、「共通テストで判定が悪くても、二次試験で逆転できる可能性はある」という見解も得ていました。

多くの先生は浪人ありきの指導でしたが、浪人を避けたいという子の意向を尊重するなら、初年度に全力を尽くすしかありませんでした。

親の覚悟と子の80点アップの約束

12月の面談後、私は子の現役生特有の「最後の伸びしろ」に賭けました。そして、わが子自身も「必ず共通テストで あと80点は上げる 」と強い決意を表明しました。

C判定やD判定が続いても、目標変更では「逃げた」という後悔が残るのではないかという懸念がありました。親として、子の言葉を疑わず、最後の最後まで挑戦する姿勢を支え続けることが最善だと感じたのです。


理由2:【薬剤師の本音】同じ努力なら医師の「裁量」と「やりがい」を

私が薬学部を勧めなかった最大の理由は、薬剤師として医療現場で働いてきた経験に基づいています。

まずお伝えしたいのは、薬剤師の仕事は人々の健康を守るために不可欠であり、薬学部の学びや薬剤師の仕事の価値を否定するつもりは一切ありません。自分の職業に誇りを持っています。

しかし、わが子が幸いにも医学部を目指せる学力を持っている以上、同じ6年間という大変な努力と学費を投じるならば、より大きな裁量と社会的責任が開ける医師の道を選択してほしいと考えました。

  • 医師の圧倒的な裁量権: 医療の現場において、最終的な診断や治療方針の決定といった重い責任と大きな裁量を持つのは医師です。
  • 「やりがい」の深さ: 薬剤師ももちろんやりがいがありますが、命を直接救う、病気を根本的に治すという医師の職務は、その責任の重さに見合うより大きく深いやりがいがあると感じていました。

「医学部を狙える学力があるのにもったいない」と感じたのは、薬学部の努力を否定するのではなく、同じ努力に対するリターンとして、医師のキャリアの優位性を重視した、親としての正直な判断でした。


理由3:【現実的な判断】キャリアの安定と報酬という「親の安心」

親として、子どもの将来の生活基盤やキャリアの安定性は無視できません。現実的な問題として、報酬と社会的地位の差も大きな要因となりました。

  • 経済的な安定性: 医療現場での実感として、医師と薬剤師の生涯賃金や収入の差は無視できません。医師免許は、景気に左右されにくい高い専門性と安定性を兼ね備えており、子どもの将来的な生活の安定に直結すると判断しました。
  • 資格の「強さ」: 医師免許は、勤務医から開業、研究、コンサルティング、起業まで、その後のキャリアにおいて非常に多様な選択肢を持つことができます。これは、子どもの人生において大きな武器になると確信しました。

結論:親として選んだ「最善の道」

薬剤師の私がわが子に医学部を推した背景には、「初志を貫いてほしい」という願いに加え、「より大きな裁量と安定性」を子どものキャリアに与えたいという現実的な親心がありました。

成績が不安定でも挑戦を続けるという決断は、親として大きな不安を伴いましたが、医療の現場を知る親として、わが子に最も輝ける道を示せたことを信じています。

医学部進学を低コストで実現 我が家の体験談と費用戦略/https://mama-furikaeri.com/wp-admin/post.php?post=82&action=edit

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