12年間、PTA役員に当たらなかった話

上の子で6年、下の子で6年。 合計12年間の小学校生活を振り返ってみて、自分でも驚くことがあります。それは、一度もPTA役員に当たらなかったことです。

「そんな人、本当にいるの?」と驚かれることもありますが、私のような人も、たまにはいるのです。決して「当たらないための秘策」を練っていたわけではありません。

どこから見ても平等に見える「投票用紙」

役員の選び方やルールは学校によって様々だと思いますが、うちの小学校の場合は、一クラスの役員の数は3人。選び方は投票ですが、投票用紙は少し変わっていました。 そこには、クラス全員の名前が、ぐるりと円を描くように印判で押されて配置されていました。

「上から五十音順だと、どうしても最初や最後の人に目がいきやすくて不公平だ」という配慮から生まれたスタイルだそうです。どこが始まりで、どこが終わりかわからないサークル状に記載された名前の中から、3人選んで丸をつけます。

また、うちの学校には「一人の子につき一度役員を務めると、その子に関しては卒業までクラス役員を免除される」という決まりがありました。年度を追うごとに、役員を経験した人の名前の横には、小さな「免除の●印」がついていきます。その●印が増えるたびに、まだ●印のない自分に順番が近づいている気がしていました。

もし当たった場合は、電話などで連絡が来るそうです。当たってもできない場合は、自分で代わりの人を見つけてこなければならない、という厳しいルールもあったみたいです。

低学年での立候補ラッシュ

実は低学年のうちは、驚くほどスムーズに役員が決まっていました。
「低学年のうちに済ませたほうが、後々が楽だよ」という噂が保護者の間で流れていたからです。特に、数年後に控えた「学校周年記念」などの大きな行事を避けたいという心理から、その前年までは立候補で枠が埋まることも多かったのです。ある年には、立候補者が役員の定員を上回ってしまい、くじ引きで役員を決めるという事態もあったそうです。

中には、同じ幼稚園や保育園出身の仲良しママ同士で誘い合って立候補する方もいました。同じクラスや学年の横のつながりだけでなく、縦のつながりまで知り合いと合わせて「布陣」を固めた用意周到な方もいました。

一方で、早く済ませる道を選んだ方々が、夜の委員会に出席するために家庭内調整をしたり、慣れない委員会で奮闘される話も聞きました。うちの小学校では、集まった役員の中でさらにくじ引きで上役を決めていたようで、「低学年の方が楽」は単なる噂に過ぎなかったみたいです。

「PTA幹部」は別の枠組み

「役員に当たって、もしくじ運がめちゃくちゃ悪かったら、そのままPTA会長や幹部に担ぎ上げられてしまうのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、子供の学校ではそこは明確に分かれていました。

実は、PTA会長などの「幹部」は、一般の役員決めとは全く別のルートで選ばれていました。
学校側やPTA幹部の方々が参観日などで日頃の保護者の様子をそっと見ていて、適任と思われる方に直接打診をする「スカウト制」でした。スカウトされる方は、平日の日中に動きやすい自営業の方や消防士さんなどが多かったです。PTAにかかわりのなかった私は、友人のご主人がPTA幹部になり初めて知りました。

一般役員に当たった人が、くじ運だけで会長に担ぎ上げられるような事故は起きない、というのは安心材料です。

この幹部に関しては、さらに特殊なルールがありました。「一人の子で幹部を引き受けると、その家庭の子供全員分の役員が免除される」という仕組みです。「父親が幹部をやってくれるから、母親は役員をしなくて済むから楽なの」と話すお母さんもいました。

知り合いの幹部の方は「新しい知り合いができるのは楽しい」と前向きに活動されており、私たち一般の保護者とはまた違う深いレベルで学校を支えてくださっていました。

ただ、一度幹部にスカウトされると実際はなかなかやめづらいようです。数年継続して務める雰囲気になることが多く、上の子でも下の子でも幹部をした上に、中学校に上がってもまた幹部に推薦され断れず……という「名誉あるボランティア」をこなす方もいました。平の役員を経験した後に、その働きぶりを評価されて幹部にスカウトされるというパターンもあり、学校を支える方々は本当に頭が下がる思いでした。

私が心がけていた「目立たないこと」

そんな中で私がどう過ごしていたかというと、とにかく「目立たないこと」を一番に考えていました。 自分の中にあったのは、「当たったら逃げずにやる。でも、自分から目立つようなことはしない」というごくシンプルなスタンスです。うちは夫が忙しく、ほぼワンオペ育児でした。ですから、子供が小さいうちによる家をあけるのは避けたかったので、低学年のうちの立候補は考えていませんでした。
立候補してくださる方が多く学年が進むうちに、そのうちにこのまま当たらない可能性もあるのではとも思えてきたのです。

具体的に気をつけていたのは、日常のほんの些細なことでした。

  • 参観日や学校行事でも、派手な服装は避けて、周囲に馴染む格好をすること。
  • PTA総会などの集まりでも、挙手して発言したり、目立つ言動をしたりしないこと。
  • 誘われても立候補は断る。

子供の名前も所謂キラキラネームではなかったことも幸いした気がします。

6年生での選択

いよいよ最後となる6年生。投票用紙には、●印(免除マーク)がついていない人はまだ半分ほど残っていました。「焦って立候補しなくても、まだこれだけ候補がいるんだな」と、落ち着いて受け止めることができました。とはいえ、確率は1/5くらいでそれなりに高いです。

それまでは、私は知らない方の中から候補者を選んでいたのですが、学年が上がるにつれて知り合いも増え、知らない方も少なくなっています。確率1/5とはいえ、正直自分が当たってしまう気もします。
そんな中私が選んだのは、もし当たったら「一緒にやりたい人」です。
「もし自分が当たったとしても、この方と一緒なら頑張れそう」「この人なら適任」という、ささやかな願いを込めた一票でした。

開票日が近づくと、役員経験者の方から「○日までに電話が来なければ大丈夫だよ」という情報が流れてきます。スマホが鳴るたびにビクッとしていましたが、結果として、私のスマホが鳴ることはありませんでした。 私が選んだ方のうち二人が、役員に決まっていました。他の方々も、私と同じような選び方だったのかもしれません。

12年間の終わりに

「できればやりたくない」という本音と、「当たったら引き受ける」という覚悟の間で揺れながら過ごした12年間。
これがただの強運だったのか、それとも「目立たないように過ごす」というスタンスが功を奏したのかはわかりません。

もし今、役員決めに怯えている方がいたら、伝えたいです。 「たまにですけど、私みたいに12年逃げ切れる人も、ちゃんといますよ」と。

※これはあくまで私の学校・私個人の経験です

保育園の役員の経験については、保育園の役員、指名されたらどうする?に書いています。
中学校の役員の話はこちらの記事入学式の感動も吹き飛ぶ修羅場。役員決め~中学編~に書いてます。

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